勉強会の感想(6/12)    2018/6/18

 

ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック院長の福田護先生に最新の乳がんの治療について、お話しをお聞きしました。

 

日本の女性の約12人に1人がかかるとされる乳がん。

 

近年では、個別化医療が進んでいて、より患者に合った効果的な治療が受けられ、副作用のリスクが減るメリットがあるそうです。またアメリカでは、オンコタイプ DXという遺伝子検査があり、乳がんが再発するリスクや術後に行う化学療法の治療効果を予測できるようになったそうです。

 

私は、20049月に34歳で乳がんに罹患しました。同年10月に術前化学療法にて抗がん剤ET療法(エビルビシン+ドセタキセル)を5回。20053月にホルモン療法の治療、同4月より放射線治療をしました。ハーセプチンは、最初はステージⅣ期の方のみに使用されていたのですが、徐々にⅢ期の方にも使用されてきた経緯があります。ですので、分子標的治療薬のハーセプチンを受けられた時は、とても嬉しく感謝の気持ちでいっぱいでした。「辛い副作用があっても2人の子供の為に絶対に生きて、成長を見届けたい」という強い思いで治療に臨んでいました。この抗がん剤治療と分子標的治療薬のハーセプチンのおかげで予後が良く、今も元気に過ごせていると思っています。

 

また、福田護先生は、「抗がん剤の開発は時間がかかるが、分子標的治療薬の開発は活発に行われている」と仰っておられました。これからも抗がん剤や分子標的治療薬などの開発で、より多くの患者さんの病気が治ることを期待しています。

 

S.K

 

 

参考までに私の病状【粘液癌とマイクロパピラリー癌(組織学的に悪性度が高い)。癌の大きさは、9.0×7.0×2.0㎝。HER2陽性、核異型度2。リンパ節転移は、合計16/28個】

 

 

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・マイクロパピラリー癌 → micropapillary  → 微小乳頭癌 というもののようです。

 

・オンコタイプDX:該当者:ステージⅠ、Ⅱ~Ⅲaまでの浸潤癌、エストロゲン陽性、Her2陰性、リンパ節転移1~3個、21個の遺伝子で将来の再発などが判断される。

 先生の説明によると術後治療において抗がん剤治療が適用かどうかを調べる検査のようですが、中間リスクに分類されるものがあるようで、抗がん剤治療を迷われてする検査が結局はっきりしないことがあるそうです。自費扱いなので安くはないものなのでそれがネックのようです。対象はある程度限定されるようですね。(検索するといろいろとヒットします)

この中間リスクに分類される方にとって再発予防のために抗がん剤を用いるべきかどうかを検証する臨床試験がアメリカで行われたようです。。。(??)

2018/7/10追加記載

2018年6月15日~ASCO(米国臨床腫瘍学会)において、その臨床試験の内容の結果発表がありました。

http://www.qlifepro.com/news/20180615/many-breast-cancer-patients-avoid-chemotherapy.html

「New England Journal of  Medicine 」6/3 オンライン同時掲載。

結局、中間リスク(スコア11~25)の方達については、ホルモン剤のみの治療とホルモン剤に化学療法をプラスした治療比較の結果、どちらも同程度と言う内容のようです。

オンコタイプDX検査の有用性を検証した大規模臨床試験10273人、このうち

再発リスク(中間タイプ11~25)6711人、9年間追跡。

これにより、今後は余分な化学療法をしなくてもよいだろうという見解が示されていました。

今まで、化学療法をしないことが不安材料だったりした方は、大勢いたと思います。少し納得しますね。。。

 

それでも、がんの進行程度によっては化学療法が有効となるようです。それが無効となることもあるみたいで情報はしっかりと得るべきだろうなあ~。。。と感じました。

 

臨床試験の参加者の数がとても多いので結果に期待していました。

経済性を考えればきっと抗がん剤優位となるように感じていましたが、内容を読んでみて、アメリカの良心が示されたように思いました。

 

日本のがん治療に携わっている先生方はどのように感じたのでしょうか?

 

 

オンコタイプDXが普通に日常の医療に入って来ていることに驚きました。

化学療法をするときには絶対治してやるという強い自分の意思を持つことはとても大切なことのように思います。

ただし、私のようなからだにとってはあまりに強い気持ちを持つことは逆に命を縮めてしまう危険性もあるように感じています。

 

長く癌と向き合って生きることは、それを認めて適当に(?)生きることも大切ではないかと感じています。

 

  • 18年前に戻って、もしも私がオンコタイプDX(適用範囲だったら)を受けたとして、化学療法を受けてなかなか続けて行くことが不可能だとわかったとしたら、それもまたその後を生きて行くことは大変な精神力が必要だったろうな~。。。と思います。
  • 化学療法における副作用(白血球減少)は自分の意思ではどうしようもない部分があります。
  • 2010年に再発したので9年目に入ろうとしていますが、自分の癌を適当にいなしていくことも必要ではないかと思っています。
  • 自分の中のがんを大切にしていく姿勢のようなもの、と言ったらおかしいでしょうか?(再発者だったら理解出来るでしょうか?そう言うときにおとなしくなるのかもしれません。そこから這い上がって完治?する方もいるような気がしています。寿命?を考えることに繋がるんだろうな。。。と思います。まだまだ納得していません(^^;)
  • 17年前、紫陽花を見に行った気持ちを理解できるでしょうか?

誤解しないでいただきたいのですが、私もS.KさんもオンコタイプDXの検査にそもそも、該当しません。

 

そして、また、オンコタイプDXを受けてもいないのに、その臨床試験結果を自分の病理にあてはめて考えることのないようにと思います。

ホームページによっては、スコアの数字が少し違ったりしているようです。

ご自分の過去の治療をどうだったのかと思う方もいらっしゃるかと思いますが

ご自分の主治医と相談してくださいね。。。

 

S.Kさんもまた大変な状況を生き延びられて来た方です。

今後の活躍が楽しみな一人です。

 

文責:古山惠子